「実行につぐ実行」がダイキンの競争力の源泉 それができる人材を活躍させる施策でなければならない

グローバルNo.1空調企業であるダイキン工業。
世界を5極(日本、アメリカ、中国、欧州、アジア・オセアニア)に分けてグローバル戦略を推進しているが、近年、大きく存在感を増しているのがアジア・オセアニア(アジオセ)地域だ。
これは、単に時流にうまく乗ったということではなく、市場そのものをつくりだしてきた結果だという。
ダイキンのグローバル戦略全体を統括するグローバル戦略本部長 常務執行役員であり、「やらないと何も起こらない。そういう風にしか勝つことができない」と語る峯野義博氏に、アジオセで行った戦略と、戦略を動かす人材の活かし方について、お話を伺った。

事前に判る正解なんてない だから、まずはやってみる

田口: 弊社セルムアジアがシンガポールで活動を開始したのが2014年。アジアにエアコンがどんどん広まり、ダイキン様の存在感がどんどん大きくなっていくことを目の当たりにしてまいりました。本日は、その際に行われてきた取り組みについてお伺いできますか。

峯野: 私の仕事人生の半分以上は海外勤務で、本社に戻る直前にはシンガポール、マレーシアの現地法人におりました。2010年に本社に戻り、最初に取り組んだのがアジオセに特化したリージョンの立ち上げで、ここが近年の変化のスタートでした。

今、「アジオセに特化した」という言い方をしましたが、「特化した」というより、大きくなった中国市場と欧州市場をグローバル戦略本部から独立させてCEOの直轄とし、結果的にグローバル戦略本部はアジオセに集中したという言い方のほうがあっていて、200名以上いたグローバル戦略本部の人員が70名程度になり、売り上げ規模も最も小さなリージョンの担当になりました。その分、組織として動きやすくなって、再出発したのです。

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